2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

原子力に関する世論

内閣府の定期的に実施している原子力に関する世論調査の結果が発表となった。これによると原子力発電は、発電の過程で二酸化炭素が排出されず地球温暖化防止に貢献すると回答した人が4年前は35.6%であったが、今回は50.0%になった。 やっと半分の…

世界初のベストミックス

自然エネルギー派の太陽電池メーカー、原発に傾注する電力会社。それぞれ激しい宣伝合戦をしているが、将来の電力の生産から石炭石油などの化石燃料が外れることは両者との認めるところ。 火力発電所に二酸化炭素吸収装置をつけるという方法もあるが、コスト…

自然エネルギーは大化けするか

自然エネルギーは安全性、無限性、環境破壊が少ないなど理想的であるが、不安定であること、エネルギーが薄く広範囲に分布しているので集めるのにコストが掛かることなど欠点も多い。 その欠点を克服するには相当の時間が掛かり、温暖化対策としては間に合わ…

電気の安全保障

今日、日本の電気は火力が6割、原発が3割、水力が1割の割合で作られている。火力も石油は少なく、天然ガスと石炭が多い。石油ショックを機に、石油の比率を下げる努力が続いたためだ。これは明らかに国家のエネルギー安全保障を考えたことに基づいている…

多額の寄付

まれに新聞で電力会社が原発を立地している自治体に何億円という多額の寄付をした記事が出ていることがある。寄付は通常、公表され称えられるものであるが、電力会社の場合は受け取った自治体も含めて公表をしないのが通例となっている。 おそらく電力会社は…

百万人の味方

高レベル放射性廃棄物の処分場が見つからず、国も電力会社も大苦戦している。これでは青森県の六ヶ所村で預かってもらっている使用済核燃料の行き場がなくなり、大量の核燃料が原発内や近くに造った中間貯蔵所にたまっていってしまう。 高レベル放射性廃棄物…

夜の音

夜の音は季節によって違う。夏は何時になっても虫の声がし、遠くで花火の音がする。夕涼みの人たちの歩くざわめきが聞こえる。冬になるとこれらの音がまったくしなくなる。木枯らしがピューと吹く音が隙間から聞こえ、寒さがキーンという音になって耳に伝わ…

おかしな役所

欠陥車問題、食品の産地表示問題、原発の事故など、事故や不祥事が起きると必ず企業の社長が引っ張り出されて頭を下げ、担当者が懸命に内容を説明し、マスコミからの厳しい質問にさらされている。事故や不祥事を起こした当事者の話は国民にとってにわかに信…

有望な処分場候補地点

国は原発で使用した核燃料から取り出した高レベル放射性廃棄物の処分場を探している。最近はNUMOという機関がテレビコマーシャルを流しているが、いまだに候補地は見つからない。マスコミなどによる原発=危険という観念が浸透したことが難しくしている…

フレーミングでやってみたら

メガネのフレームというように、フレームとは枠組みのこと。同じ土俵に上がれるように、共通の目標を設定して議論することをフレーミングと呼ぶ。こうすると利害が対立する人々も話し合いが出来るようになる。 例えば、漁師と観光会社は普通、敵対関係ではあ…

原発の安全性

アメリカではスリーマイル島の事故以来、安全規制が厳しくなりすぎて電力会社は原発の運転を放棄するかの選択を迫られた。原発を所有する電力会社は共同で監視組織を立ち上げ、自主的に管理を強化した。稼働率もランキングを公表した。 10年もたつとアメリ…

スタートポイント

日米安保や基地の問題でもそうだが、一部の人たちの問題を考えるスタートポイントに疑問を感じることが多い。日本が島国とはいえ、隣国にはならず者国家が控え、台湾海峡もあり、極東は決して安定しているとはいえない。 さらに自衛を本気で自前でやろうとす…

したたかなフランス

フランスがポーランド独自の原子力開発を支援することになった。ポーランドはエネルギー確保と地球温暖化対策のために2020年までに原発を運転するという計画を持っているが、その実現のためにフランスが全面的に協力することとなった。 近頃、フランスの…

この国の形

沖縄の基地移設は難問だが、日本の安全保障全体を考える良いきっかけになりそうだ。昔、原発の立地自治体の首長が「大消費地の都会の連中は我々の方に足を向けて寝るな」と発言したが、都会の人々からすれば、「我々が毎日悪い空気の中で通勤電車と残業でス…

地震と原発

中越沖地震以降、国は「その時点における我が国最高峰の専門家が持っている知見を踏まえて評価している」と言っているが、保安院には地震などの専門家は少ない。地震の研究は近年素晴らしい発達を見せている分野なので、新しい知識もどんどん入れていく必要…

温暖化の産み出す思想

時代の大きな変革は地球環境の変化によってもたらされてきた。氷河期や温暖気候は動植物の生存に大きく影響し、それはまた人間の生存にも影響をしてきた。そのような変化は現代においても、人々の考え方をこれまでと違ったものにし、その時代を代表する思想…

コストダウンの期待

1967年にセイコーの電子腕時計が発売された。当時、学卒の初任給が二万円だったが、腕時計はなんと一個44万円であった。40年後の現在、電子腕時計は1千円で買える。実に四百分の一になっている。こうした工業製品は年とともに驚くほど価格が低下す…

二酸化炭素との闘い

自然エネルギー開発に力が入ってきた。ドイツなどに先を超された日本は補助金などを復活。トップ奪還を目指して官民一体で飛躍的な目標を打ち立てた。2000年と2007年を比較すると太陽光発電で6倍、風力は10倍も増えているから着実に伸びてはきて…

プルサーマルとマスコミ

九州電力玄海発電所。唐津くんちで有名な佐賀県の唐津の近くにある原発。小さな半島の先端に4基の原発が立ち並んでまるで要塞のようなところだ。そこで日本で初めての本格的プルサーマル運転が始まった。プルサーマルは使用済みになった核燃料を再処理して…

企業の払う市町村民税

新潟県にある柏崎刈羽原子力発電所が大地震で長く停まったために東京電力が28年ぶりの赤字に転落し、東電の原発立地市町村が税収の大幅減に直面している。 税収のうち東電が払う税額の割合が50%を超える市町村が大半で、中には80%超のところもある。…

福島大臣の強弁

ノストラダムスの大予言などを書きたてて、大もうけした作家がいるが、1999年になっても何事も起こらず忘れられた。衆議院の予算委員会で自民党斉藤氏の質問に福島消費者、少子化担当大臣は「自然エネルギーを大幅に増やせば原発を新増設しなくても、5…

ほのかに見える

庭師に枝葉の刈り込み方を聞いたら「枝葉の間から少し幹が見えるように刈り込むのが良い」という。まったく幹が見えないように葉を生い茂らせても、幹ばかりが見えても寂しいしみっともない。花も木や石の影にちらりと見えるのが良い、これ見よがしに咲いて…

破滅に向かう文明

サブプライムローンの影響が世界中の金融危機を招こうが、世界の人口の増加はとまりそうもないし、中国、インドなどいわゆるBRICsの中産階級の増加はとどまるところを知らない。 それに対して、省エネや二酸化炭素抑制の技術進歩、普及はどうみても追い…

電気料金の値上げ

鳩山首相の国連演説で温暖化ガス排出25パーセントを公約した日本。今後あらゆる排出源に対する規制が予想される。鉄鋼業などは海外逃避もあるが、電力だけは国内から出ていくわけにいかない。 火力発電は現在全体の60パーセントを占めているが、まず石炭…

中国と日本

エネルギー、環境、経済、軍事これらのすべてに中国が大きな影響力を持ち始めた。日本はその巨大な中国のすぐ隣に位置している。中国という名は世界の中心の国という意味で、自分たちは世界の中心だという意識が伝統的に強い。 大和朝廷から江戸時代まで日本…

NHKの転換

あれほど原発嫌いだったNHKが最近何故か方向転換を図っている。昨日も特集で環境問題をやっていたが、とうとう温暖化ガスの25パーセント削減には自然エネルギー開発だけではだめで、原子力も必要だと言い出した。 オバマ政権も原発を頼りにしていること、…

自分の風景

人は生まれ育った環境に死ぬまで一番親しみを持つ。老人ホームの高齢者には若い頃から使っていたタンスなどの家具をおくと気持ちが安定する。本屋で土門拳のむかしの東京や昭和のこどもたちの写真集を見ると手元に置きたくなる。年を取ったらそれまで暮らし…

日本人の不徹底

観光地湘南を走る江ノ電は全国的に有名だが、実際に乗ってみると家の密集したところを軒すれすれに通過する。車のたくさん走っている道路の真ん中に線路があるなど、危険がいっぱい。付近の家では何十年と騒音、振動に悩まされ続けてきたことだろう。日本で…