船舶の電動化

 重油価格の高騰で漁業が採算を取れずに困っているが、そこへ朗報だ。福井県の産業支援センターが充電式のリチウムイオン電池を動力とする遊覧船を造り湖の自然環境を保全する取り組みの一環として同県美浜町久々子湖で運航実験を開始した。

 リチウムイオン電池による遊覧船運航は世界初。遊覧船は9トンで12人乗り。リチウムイオン電池4体、モーター2基を搭載している。1時間充電すれば約40キロ走り、速度は現在、久々子湖を遊覧している船と同じだ。

 年間の二酸化炭素(CO2)排出量はディーゼル船とくらべると百分の一。有害物質も排出しない。搭載したリチウムイオン電池は、電気自動車などに使われているマンガン系でなく、リン酸鉄リチウムイオン電池

 電気容量が約1・5倍で、寿命が長く、安全性に優れ、コストも3分の2以下だ。さまざまな用途の船舶に採用されればよい。