2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

裏づけ

鳩山首相や環境大臣はこのところ威勢よく二酸化炭素削減目標を打ち出しているが、果たして裏づけがあることなのか。提案されている太陽電池、風力発電、エコカー、省エネ住宅など金額の張るものばかりで携帯電話や省エネ家電のようにおいそれとは庶民には手…

ドイツの政策転換

ドイツは総選挙で中道左派の社会民主党が敗れ、メルケル首相が国民の支持を得て中道右派の保守連立政権になる。これによって社会民主党に遠慮して打ち出せなかった原発復活の道筋が見えてきた。 これまで社民党を軸とする左派連立政権が2002年に法制化し…

アラジンと魔法のランプ

アラジンが魔法のランプを擦ると、「旦那様、何か御用ですか」と大男が現れることになっている。大きなエネルギーを小さなところに閉じ込め、必要に応じて使うという発想は古代からのもの。 石油はその典型的なものだか、おとぎ話の舞台であるアラビアで多く…

江戸時代のエネルギー

江戸時代は省エネルギー社会の見本のようにもてはやされているが、実はほとんどすべてを人手と牛馬で賄った時代だ。 経済を支えた農業もトラクター、農薬、化学肥料を使わずすべて手作業で行っていた。 運輸も馬と人が行い、自動車のかわりは駕籠でこれも人…

電気自動車の改良

環境対策として次世代自動車の本命に浮かび上がった電気自動車。その弱点は最大160キロという航続距離の短さだ。これは公称なので実際にはもっと短いはず。 市内の用事なら問題ないが、ドライブには不向き。電池の改良が進まない限り、補助の発電機を搭載…

伊豆沼の秋

ラムサール条約で野鳥の保護区となっている宮城県登米の伊豆沼。広大な沼のほとんどが蓮で埋め尽くされて、この間から白鷺などの野鳥が飛び立つ。 小さな桟橋に立つと秋風が心地よい。岸辺には枯葦が群生している。平日の夕刻なので人はいない。岸に沿った道…

削減のツケ

残念ながら「私の名前は平和の象徴ハトです」という冗談は飛び出さなかったが、日本の首相は国連で条件付とはいえ温暖化ガスの25パーセント削減を約束し拍手を浴びた。 これに対して経済界は勝手に約束してもらっても実現は困難と反発。事態は八ツ場ダムと…

食の復活

貧しい戦後から高度成長を経て日本人は食においてもアメリカのライフスタイルの影響を受けてきた。ハンバーガー、フライドチキン、ピザなど脂っこい食べ物、そして年配の人たちまでがかつてないほど焼肉に群がっている。 食べ放題の店が流行るなど、量におい…

青蓮院の松

京都の八坂神社の隣にある青蓮院は皇室関係者が代々住職になる名刹。親鸞上人が植えたとされる空を圧する5本の大楠が見事だ。 北政所が現在の寺の建物を寄進し、広大な庭は小堀遠州作と伝えられるが、残念なことに松などが大きく育ちすぎ池や庭石とのバラン…

環境問題への着手

庭の手入れをしていてつくづく思うのは先手を打つことが大事だということ。雑草はある一定限度を超えて成長させてしまうと、根がしっかり張ってしまうので抜くのが大変だ。 松や槙も新芽を夏ごろまで放置するとすっかり太くなり葉を茂らせてしまうので剪定に…

言葉の矛盾

「安全、安心」という言葉が安易に使われ過ぎている。「安全第一」もそうだが言葉というものに騙されてはいけない。飲食店に入って、メニューを見て「これはおいしいですか」と聞くようなもの。「おいしいですよ」としか答えようがない。 「安全、安心」にし…

前門の虎

前門の虎、後門の狼とは中国で作られたたとえで、一つの災いを逃れても別の災いにあうことを言う。 地球温暖化を巡る日本エネルギー経済研究所の調査では中国の二酸化炭素排出量は2030年を過ぎると現状の6割増しで頭打ちになるとの見通しだ。 技術進歩…

トヨタ車

ビッグスリーが没落し、トヨタが世界一の自動車メーカーになったが、これは数の上の事。環境性能や仕上がりの素晴らしいことは認めるが、デザインにおいてはほとんど魅力のない車を作り続けているメーカーだ。 特にトヨタ車の中小型車のデザインには個性に乏…

日本はどのように変質したか

広重の江戸名所百景により江戸の街並みがどうであったかを知ることが出来るが、これを今の東京の街並みと比較すれば、日本人や日本の社会がどう変わったかを知ることが出来る。 それは封建社会から近代社会への変化であり、封建社会が家の色や形について個人…

25パーセント削減

民主党のマニュフェストどおりに温暖化ガスの排出を抑えるとすれば、当面は原発に依存しなければならないが原子力発電を取り巻く状況は極めて厳しい。ここ数年間の出来事はいずれも原子力開発を遅らせるようなことばかりだ。 再処理工場のトラブルと竣工期日…

小さなこと

環境問題では「一人ひとりが出来ることは小さいがその積み重ねで大きな問題が解決する」とよく言われているが、果たしてそうだろうか。 個人が使うエネルギーの多くはマイカーによるもの。ガソリンを直接使っているから石油ストーブを何十台と使うのと同じだ…

原発の運転期間延長問題

現在運転中の日本の原子力発電所で最も古い日本原電の敦賀発電所1号機がはじめて40年を超えて運転を継続すると発表した。実は日本原電は過去に古くなった1号機はメンテナンス費が掛かるわりに出力が小さいのでまもなく運転を止め廃炉にすると発表してい…

誘導政策

先進国が一人当たりの化石燃料消費を大胆に抑制するような誘導政策には二つある。一つ目は経済的なもの、二つ目は非経済的なものだ。経済的なものとしては現在も行われている省エネ製品などの税金を安くしたり、ポイントを与えたりする、逆に化石燃料には重…

矛盾の解決

世界人口増加と、一人当たりの化石燃料消費を抑制しなければ人類は滅亡する。途上国が豊かになり、高等教育が行われ女性の社会進出が実現すると少子化傾向になる。 こうなると一人当たりの化石燃料消費が何倍にもなると人口抑制策は化石燃料消費抑制と矛盾し…

新エネルギーの実態

化石燃料に代わる新エネルギーについては期待が先行し実態がまだまだ認識されていない。現在、日本の電力に占める新エネルギーの割合は1パーセント台で、水力発電の10パーセントに比べるとあまりにも小さい。 自民党政府が作った中期目標の内訳は原発の増…

生存圏を守る

ヒマラヤに登れば大気が薄くて酸素マスクがなくては生きていけない。わずか8千メートルの厚みの大気圏内に多くの生物が生息している。 生命は極めて微妙なバランスの中で生きているため、大気の濃さや気温が少しでも変化することでバランスを失うと地球上は…

1パーセント

オバマ大統領はグリーンニューディール政策を打ち出したが、今のところアメリカでは自然エネルギーの閉める割合は1パーセントにも満たない。石油、石炭、天然ガスと二酸化炭素を出す燃料が主流。中でも石油が4割だ。 原子力も8パーセントにすぎない。しか…

世界遺産

富士山が世界遺産にならないのは大量のごみのせい。福井県の東尋坊も観光業者が土産物屋を乱立させてその景観を台無しにした。こうした例は日本全国にある。芦ノ湖や琵琶湖の遊覧船が何故あんなデザインでまかり通っているのか。 日本にはそれを取り締まる役…

緑を取り入れる店づくり

夏の京都は暑い。まとわりつくような暑さなので、鴨川で風に当たったあとは祇園の鍵善でくずきりを食べたくなる。待たされて入った店内はほとんどが中年のご婦人。 昔の町家の蔵と小さな庭を奥に残してあるので、冷たいくずきりを掬いながら、大きなガラス戸…

原発と地域の関係

原発はアメリカ、フランス、日本の順に基数が多いが、地域のためにいろいろなことをしているのは日本だけだ。電源立地交付金から始まって、地元の自治体などへの寄付金、地元発注など数えればキリがない。 アメリカ、フランスなど海外では原発に対する住民の…

原発の寿命

日本で一番目の軽水炉である敦賀原発一号機。既に40年近く運転しているが、さらに数年間運転を継続することにした。これが実現すると東京電力、関西電力などの初期の原発が運転期間を同じように延長する可能性も出てきた。 初期の原発は出力が比較的小さく…

ポーランドの決定

最近、EU諸国はドイツを除いて原発回帰がブームとなっているが、このほどポーランドの閣僚会議が2020年にも初の原発を完成させることを決めた。 ポーランドは1980年代に原発の建設を開始していたが、チェルノブイリ原発事故で中止した。今からスタ…

シミュレーション

温暖化でアルプスの氷河が以前とくらべてどのくらい後退したかなど、昔の写真と今の写真を比べて見せることがある。このままのペースで温暖化が進めば、現在の状況が何年後、何十年後にどうなるのかをシミュレーションしてそれを写真にしたものを示すとより…

安心より安全を

我が国は近頃事故や不祥事続きで、政治家やマスメディアは「安全、安心」が慣用句になっている。安心は情緒的なもので、安全は科学的なものだがこれを一緒にして言っているところにいつまでも事故や不祥事が収まらない原因がある。 安心は安全な状態が続けば…

政界の大掃除に期待

民主党が勝って官僚主導から政治主導へ霞ヶ関の大掃除が期待されている。皮肉なことに民主党、社民党、国民新党そしてそれらの支援団体などについても大掃除が行わる。 政権がマニュフェストの実施、外交など現実に直面することで、野党の立場で現実離れの理…