前門の虎

 前門の虎、後門の狼とは中国で作られたたとえで、一つの災いを逃れても別の災いにあうことを言う。

 地球温暖化を巡る日本エネルギー経済研究所の調査では中国の二酸化炭素排出量は2030年を過ぎると現状の6割増しで頭打ちになるとの見通しだ。

 技術進歩とともに高齢化で人口増加が止まるから、エネルギー消費も減り二酸化炭素排出増加も止まる。

 しかしそれで安心してはいけない。前門のトラ、後門の狼のたとえのとおり次はインドが躍進してくる。

 インドは中国のように人口抑制していないから生活レベル向上がまともにエネルギー需要に反映され、二酸化炭素排出量もうなぎのぼりになる。インドが後門の狼ならぬ後門の象になることはもはや避けようがない。