2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

運転員の緊張

四国では大晦日から元旦にかけて元朝参りが始まる頃、電力需要が一年でも一番少なくなり、火力も水力も止めて三基ある伊方原発だけで四国全体の需要を支えている。 以前聞いた話では、伊方原発がもし止まれば四国が大停電になるため、運転員の緊張感は大変な…

地方新聞の問題点

北海道新聞の12月24日付社説は北海道が泊3号機の運転開始によって電力供給の4割を原発で行うことについて書いているが、その中で「これからは風力や太陽光など自然エネルギーに軸足を移していく努力を怠ってはいけない。 これらを補助的な発電ととらえ…

原発による地域振興

原発立地を受け入れた自治体は人口の増加、所得の増加、財政の好転、社会基盤の整備のいずれもが顕著であることがいろいろなデータで示されておやり、すべての原発立地県においてほぼ同様の結果が出ていると思われる。それにもかかわらず、地域からは地域振…

日本ではありえないこと

日本人が当たり前と思っていることが、実は世界では珍しいこと、あるいはまだ出来ていないことが多い。以前、ロシアで発電所を建設している現場を見学したが、進捗率90パーセントで作業が止まって鉄骨には錆が出ている。 部品でも不足しているのかと理由を…

矛盾

中国の外貨準備高は世界一。原因は世界中の国々が中国製品を買っているからだ。中国はまだ安い労働力があり、国内市場もあるので、アメリカや日本の企業はこぞって中国に工場を建てて生産をしている。温暖化防止の観点から言えばこれは由々しき問題。 中国で…

地方の温暖化対策

地方の時代と言われているが、各県でも二酸化炭素排出抑制や省エネについて県の行政として取り組んでいるところが多い。最近、目にした地方紙によると、富山県では、昨年は県全体で過去最高の排出量を記録し、基準年の平成二年に比べて20パーセントも増え…

もうおしまいだ

もう二十年も前のこと。名前は忘れたがある学者が「もうおしまいだ。中国人の欲望に火をつけてしまったから、地球はめちゃめちゃになるしかない。」と言ったことを憶えている。 共産党一党独裁だからそのうちひっくり返るさという批評家の言葉もあったが、と…

環境への過剰な適応

人間の歴史だけでなく生物の歴史や観察から自然法則を見出し、それを国や企業の経営に活かすことが出来る。全盛期の恐竜は環境への過剰な適応が原因で環境変化についていけず絶滅した。 国も企業も人も一度の成功へのこだわりがその後の発展を妨げる。日清、…

原子力広報

国や電力会社は莫大な金をかけて懸命に原子力推進のための広報活動をやっているがなかなか国民は振り向かない。原子力の危険イメージが定着しているところにいくらやってもそれを力づくで戻すのは困難なことで焼け石に水の感がある。 やるべきは原子力以外の…

2025年

2025年といえば地球温暖化防止のために二酸化炭素の排出量をどのくらい削減するかという目標に使われる数字かと思うが、そうではない。地球上の68億人といわれる人口の約半分の30億人が水不足に陥るのが2025年なのだ。 これはツバルなどが水没す…

文字の危うさ

近年、テレビは話した言葉を画面下にテロップで出すようになってきた。最初は難聴者用かなと思っていたが、そうではなく視聴者に情報をより強く印象付ける手法としてやっている。人は文字そのものにイメージを持つ。 現代人は文字の危うさの中で生活している…

核燃料再処理工場の役割

六ヶ所村の日本原燃の再処理工場の操業開始が遅れに遅れている。フランスの技術を導入したが、日本のオリジナル技術にこだわった箇所がトラブルの原因となっている。 オバマ大統領が核のない世界を提唱してノーベル平和賞を受賞したが、核兵器をなくすために…

画期的な出来事

12月16日付の朝日新聞によれば、中国電力が山口地裁岩国支部に上関原発の反対派を相手取って4800万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。度重なる祝島島民による敷地造成工事への妨害が伝えられてきたが、反対派を訴えるというのは珍しい。 アメリカ…

虚構の世界

ノンフィクション小説は見事な虚構の世界だが、世の中にはこれよりすごい虚構がある。原発をめぐる国民の不安はマスコミや反対派によって作り上げられた虚構そのもの。チェルノブイリやJCOがあったではないかと言う人もいるが、日本で運転されている軽水…

不公平な交付金

話題の事業仕分けで電源立地地域対策交付金が取り上げられたのは良かったが、内容については不満が残る。額については取り上げず、温暖化の観点から火力と原子力の差をつける方向で議論がされたのみだった。 原発は大事故が起きたときの不安感だけに交付金が…

地図に残る仕事

ゼロ系新幹線、ブルートレインなど懐かしい時代の花形の引退が続いて、若い人までもが関心を示している。一昔前、土木会社のCMに「地図に残る仕事」というキャッチフレーズがあった。 土木建築協会の雑誌「CE」では明治時代に外人お雇い技師の指導でつく…

資源回収社会へ

日本は太平洋戦争末期に松の根っこから航空機の燃料を取ろうとしたが、ほとんど役に立たなかった。今また汚水処理場で発生したメタンガスから燃料を取り出したり、下水汚泥から金を回収したりしたことがニュースになっている。 廃棄されたテレビやパソコンの…

経営判断の時

原発の新増設が進まない原因について地元住民の反対によるものとマスコミが書いているが果たしてそうなのか。今後の電力需要はどうなのか、将来の環境の規制によってどの程度の化石燃料特に石炭火力の運転を止めなくてはならないか、現在ある原発、火力発電…

柏崎刈羽の影響

震災で停止している柏崎刈羽の1〜5号機を除けば11月の全国の原発の稼働率は前年同期より8.5ポイントも高い75.3パーセントになった。これは冬季の需要増に対応して定期検査を終えた各地の原発が運転再開をした結果。 しかも、今までずっと停止して…

IEAの試算

IEAとは国際エネルギー機関のこと。先月その機関が出した報告書によれば、大気中の二酸化炭素の濃度を2030年までに450ppmに抑えるという、ほどほどの目標を実現するためには一次エネルギー供給源に占める非化石エネルギー源の比率を19%(2007…

インドとイギリス

広大な国土と巨大な人口を持つインドはいますさまじい経済発展を遂げ、電力不足が日常化している。国を挙げて発電所や送電線の建設に当っているが、困っている問題のひとつに貧しい人々が送電線から勝手に電気を盗んで使ってしまうこと。 このインドを長年に…

エネルギーはシステムで

以前、風力発電が風レンズによって大化けする可能性について書いたが、風力発電所というものは基本的に風任せ。起こした電気をうまく輸送し使わなければ何もならない。そのためには瞬間的な最大出力にあわせて、送電線を設置しておく必要があり、この送電線…

原発輸出大国

原発の輸出と言えばフランス。大統領が先頭に立ってアレバの原発を世界中に売り込んでいて、日本の三菱、東芝、日立の三メーカーはどう立ち向かうかが注目されている。 一方、ロシアは10年前に原発輸出事業体としてアトムストロイエクスポルト(ASE)を設…

クイズ世界の原子力(その2)

原発が一基しかない国は世界に4ヵ国あるがそれはどこか。正解はリトアニア、アルメニア、スロベニア、オランダ。リトアニアはEU加盟条件として、2004年末チェルノブイリ型のイグナリナ原発1号機を閉鎖。2号機だけが運転中だが電源に占める原子力の比…

クイズ世界の原子力

中南米で既に原発がある国はいくつあるか。原子力の関係者でも正解者は少ないと思われる難しい問題だ。 正解は三カ国。メキシコ、ブラジル、アルゼンチンの三カ国だ。それぞれ二基づつの原発が稼働中であり、稼働率はどの国の原発も日本の原発の稼働率よりも…

企業誘致の賭け

地方はどこも工業団地が埋まらず、企業誘致活動に懸命だ。安い労働力と大消費地への近さを求め、最近は工場の海外移転が当たり前になっているから、企業誘致はこれからも難しい。 来てくれるのならどんな企業も歓迎とは言え、夕張市のように炭鉱と共に消えて…

北海道の電気料金

北海道は本州から離れている大きな島。そのために、電気は道内で作る必要がある。現在石炭や天然ガスを中心に原子力や石油でカバーしている。今月末には泊原発3号機が運転開始をして、原子力の比率が25パーセントから一気に40パーセントになる。 現在、…

不公平な交付金

話題の事業仕分けで電源立地地域対策交付金が取り上げられたのは良かったが、内容については不満が残る。額については取り上げず、温暖化の観点から火力と原子力の差をつける方向で議論がされたのみだった。 原発は大事故が起きたときの不安感だけに交付金が…

原発の老朽化

年配の人に取ってはうかつにものが言えない時代になった。「片手落ち」という言い方は昔の国語教育を受けた年配の人々にとっては普通に使う言葉だが、これが身体障害者に対する侮辱的な言葉であるとして公には使ってはいけないらしい。 社会保険関連で「後期…

柏崎刈羽の復旧

柏崎刈羽原発の震災からの復旧が着々と進んでいる。6、7号機が運転再開しているのに加えて、1、5号機が機器の点検が終了、系統機能試験に入った。あの規模の大震災から原発が立ち直れることを証明したのは世界的にみてもすごいことだ。 東京電力にとって…