地図に残る仕事

 ゼロ系新幹線、ブルートレインなど懐かしい時代の花形の引退が続いて、若い人までもが関心を示している。一昔前、土木会社のCMに「地図に残る仕事」というキャッチフレーズがあった。

 土木建築協会の雑誌「CE」では明治時代に外人お雇い技師の指導でつくられた橋、堤、トンネルなど構築物の様子を写真とともにシリーズで紹介されている。

 その頃の技術者や技能工が一生を賭けて造ったものが、明治、大正、昭和、平成と時代を超えて残っているこうしたインフラが長く使われ今の日本の基盤になった。

 今でこそ土木工事は税金の無駄遣いのように言われているが、「地図に残る仕事」の保存と関係者の労苦の歴史を残すことは、日本の文化伝承として是非やらなければならない。