点検方法

モーターやポンプといった回転機器を組み立てて芯がぶれないように調整するには高度な技術が必要だ。上手く調整すれば、ずっと長時間止めずに安定して回転させることが可能だ。 そのため海外の原発では上手く回転している機器はそのまま運転しつづけることを…

電力料金と税金の負担

日本で原発を建設する際着工までに長い期間が掛り、巨額の補償金や寄付金が支払われている。運転開始してからも欧米に比べて稼働率が低く、どれほど消費者が料金を余分に負担してきたか。 原発を停めて壊す場合も放射性廃棄物の処分に係る規制が必要以上に厳…

船舶の電動化

重油価格の高騰で漁業が採算を取れずに困っているが、そこへ朗報だ。福井県の産業支援センターが充電式のリチウムイオン電池を動力とする遊覧船を造り湖の自然環境を保全する取り組みの一環として同県美浜町の久々子湖で運航実験を開始した。 リチウムイオン…

あきれた言い分

島根原発で大量の機器の点検洩れが発覚した。あれほど原発の管理ミスが問題になったあとだっただけに関係者にショックが走り、地元住民も呆れた。他の電力会社の原発も再点検したらやはり同じようなミスがあったというおまけまでついた。 なんでもコンピュー…

捨てられる食材

食料の流通・消費構造には大きな無駄がある。先進国ではスーパーやコンビニの売れ残りは消費者に見えないところで速やかに行われている。 生産者も市場で売りにくいものは出荷せず捨てている。世界では食料の30パーセントが、消費者の胃袋に入る途中で失わ…

 原子力不安を作り上げたもの

日本人はいまだに原子力に対して不安感を持っている。その不安感は長い期間を経ていくつかの事件、事故で積み上げられたものだ。まず原爆や第五福竜丸乗組員の被爆によるケロイド写真。これは誰もが教科書で子供のころに強い印象を持ったはず。 続いて原子力…

原子力理解活動

原子力に関してアンケート調査をやると住民が一番信頼する情報源としてはマスコミであり、ついで地方自治体の発表である。国はこれより信頼されず、最も信頼度の低いのが電気事業者が出す情報だ。 ところが住民に対する原子力理解活動を一番力を入れて展開し…

農地開拓

世界には10億人の飢餓に瀕している人々がいるが、今後開拓が可能な土地はそう多くは残されていない。1967〜2007年の間に世界の穀物生産量は115%増えたが、農地の拡大は8%しか広がっていない。 逆に人口爆発で人口1人当たりの農地は同期間に…

原子力の価値

漁師が燃料費の値上がりで漁に出てもほとんど儲けがないそうだ。今のように原油が値上がりしてくると頼れるエネルギーとして原子力の価値がどんどん高まってくるが、依然としてマスコミはソーラーや風力など自然エネルギーの開発を進めるべきとの論調が強い…

「もんじゅ」での出来事

日本の高速増殖炉「もんじゅ」はナトリウム漏れ以降、さまざまなトラブルが続いている。最近も燃料交換装置が原子炉容器内に落下したトラブルに関連してショッキングな事実が二つ判明した。 ひとつは装置を管理する燃料環境課長が「もんじゅ」のある敦賀市内…

世界遺産の残酷

世界遺産であるスペインの古都は見事なもの。イギリスやフランスやロシアの王宮を見るにつけその華麗さに驚く。それらはすべてアフリカやアメリカやアジアから収奪してきた財宝や資源、それに奴隷たちの犠牲がもとになっている。 西洋の立場から書かれた歴史…

戦いと見物人

日本では原子力開発に関して推進派と反対派の戦いがメディアを使って続けられてきた。 国民はこの戦いを外から見物していた。国民からすれば原子力はこうしたプロ集団のやることであり、国民の生活からは遊離したもの。 国民は電気というエネルギーの恩恵は…

超民主主義

ジャック・アタリはフランスの思想家でサルコジ大統領の知恵袋。彼の書いた「21世紀の歴史」には資本主義がこのままとんでもない市場経済に全世界を巻き込み、紛争がおき、その後ボランティアのように他人を愛することを生きる喜びの原点とする思想のエリ…

間違った常識

世の中には常識として信じられていることが間違っていることが多い。日本は貿易立国ではなく、貿易に依存しているのはGDPの僅か1割台だ。中東などから大量に輸入している石油代金はそのまた半分にも満たない。 地方に行っても農村、漁村と呼べる所は存在…

日本列島改造論

田中角栄の日本列島改造論により、新幹線や高速道路、それに港湾などが整備され日本国内に大動脈が通り、地方にも産業振興の機会が作られた。これによって日本は人の移動や物流面で格段に効率が良い国になった。 今、中国やブラジルといった新興国はちょうど…

これからの原子力開発

アメリカでは100基の原発がこれから寿命を迎えようとしている。日本でも40年を越えて運転をする原発がどんどん増えている。これらの原発を廃止して新たな原発を建設する、いわゆるリプレースの必要が毎年着実に高まっている。 原発の運転による使用済燃…

農業の壊滅

農協などはTPP参加問題で日本の農業が壊滅すると反対するが、野菜や花は現在でも関税がそれぞれ3パーセント、0パーセントだ。それでも野菜や花は中国を始め海外に輸出が行われている。 リンゴ、サクランボ、桃、ブドウ、イチゴなど東南アジアの富裕層に…

処分場のイメージ

各地でゴミの処分場の建設地を見つけることが難航している。ましてや放射性廃棄物処分場は国や推進機関が10年以上やっているが、まだ見通しが立たない。 原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分場がどのようなものか一般の人にはイメージが湧かないのも原…

特別に長い鎖

どんな産業でも原材料の調達というフロントエンド、廃棄物の処分というバックエンドを持っている。自動車産業では部品の調達、それを作るための部品メーカーによる原材料の調達がフロントエンド、生産に伴うゴミの廃棄、廃車後のリサイクルや不用品の廃棄が…

インフラ輸出

先進国は原発、水道、新幹線などインフラを途上国に輸出しようとやっきになっている。途上国は先進国間の競争に乗じて有利な条件を獲得しようとする。 韓国はUAEの原発に関して土地の買収から60年にわたる運営も含めて条件を飲んで契約に漕ぎ着けたが、…

いつでもハワイ

最近流行りの外断熱、床暖房で家を建てた人が「ウチは冬でもハワイアン。夏は軽井沢の涼しさ」と言うが、そんな家に住んでいると心身はどうなるのだろうか。 無菌室で育った赤ちゃんのような状態になり、そこから出られなくなるのではないか心配だ。歳をとる…

原子力の理解

原子力はほとんどが電気として一般の人々にメリットを与えているのだが、電気が間に入ることで一般の人々が原子力のメリットを直接感じることはほとんどない。メリットを直接感じているのは積極推進派のみ。 それは国、電力会社、メーカー、研究者だ。それ以…

NIMBY対策

NIMBYとはNot in my backyardのこと(つまり賛成だが、自分の裏庭はダメと言う意味)。米軍基地や原発から出る高レベル放射性廃棄物処分場などの必要性は理解するが、それが自分の住んでいる近くに来るのはごめんだという。 全国どこも…

日本人の誤解

日本の国土はその66パーセントが森林。農地が12パーセント、宅地が5パーセント、道路や水路・河川が7パーセント、その他10パーセントだ。 これからすると、地方に行って我々が目にするものはほとんどが山林と農地だと言って良い。これに対して東京な…

燃料加工工場での被ばく

関西電力などが運転する加圧水型原発の燃料を製造している「三菱原子燃料」の茨城県東海村の工場の管理区域内で男性作業員4人が二酸化ウランの粉末をこぼして吸い込み、軽度の被ばくをした。 東海村の燃料工場というとすぐに10年前のJCOの被ばく事故を…

先進国が出来ること

これから途上国、新興国が経済発展していくと、たくさんの天然資源を消費する。先進国では既に省エネルギーや資源のリサイクルが行われているが、途上国、新興国ではこれからエネルギー消費が急速に拡大していく。 これに対応するには最新の高効率な発電技術…

東北のとある町

東北のある町の産業についての資料を見ていたらおもしろいことに気がついた。2000年現在における町の就業人口は5,154人で、全人口の約半分の人が働いている。 産業別にみると、第1次産業が9%、第2次産業が34%、第3次産業が57%と、就業者…

背後にある戦い

尖閣列島、北方領土など国際政治問題の背後にはほとんどと言ってよいほどエネルギーの争奪戦がある。南シナ海での中国とフィリッピンなどの衝突も石油資源の確保がある。 アラビア湾でのタンカー防衛や地球温暖化対策としての温暖化ガス排出権取引などもその…

原子力政策見直し

内閣府の原子力委員会が5年ぶりに原子力利用の基本方針を示す「原子力政策大綱」の見直しをスターとした。 温室効果ガスをほとんど排出しない原子力発電への期待が高まり、海外で原発商戦が活発化するなどが見直しの契機となったと思うが、これまでの5年間…

ご都合主義

原発でもゴミ処理場でも反対する人々は、大企業や国などに対して隠蔽や偽装、改竄について大組織の体質だと厳しく批判するのが常だ。また、数字などについてごまかしがあると糾弾する。 ところが、反対する人々が住民に配っているビラやインタビューに答えて…