燃料加工工場での被ばく

 関西電力などが運転する加圧水型原発の燃料を製造している「三菱原子燃料」の茨城県東海村の工場の管理区域内で男性作業員4人が二酸化ウランの粉末をこぼして吸い込み、軽度の被ばくをした。

 東海村の燃料工場というとすぐに10年前のJCOの被ばく事故を思い出す。健康被害や外部環境への影響はないというが、地元住民の原子力の安全管理に対する不信感が再び強まる恐れがある。

 機械は故障し、人間は誤るものだ。事故を起さないためには、常日頃から現場の管理水準を高く維持しておくことが大事で、そのためには事業者が自らその状況をこまめにチェックしていなくてはならない。

 設備は万全か、従業員の士気は高いか、ルールは守られているか、安全システムや体制はしっかり機能しているか。外部に頼らず自らチェックすべきことは山ほどある。