青蓮院の松

 京都の八坂神社の隣にある青蓮院は皇室関係者が代々住職になる名刹親鸞上人が植えたとされる空を圧する5本の大楠が見事だ。

 北政所が現在の寺の建物を寄進し、広大な庭は小堀遠州作と伝えられるが、残念なことに松などが大きく育ちすぎ池や庭石とのバランスが悪い。

 今は観光客も多く庭の手入れもされているが、ひところは手入れも出来なかったようで幹や枝が伸びすぎておかしな姿になっている。

 建物は桧皮葺や瓦の屋根、朽ちた床材の取替えなどで姿を維持しているが、庭木も年月を経れば大きくなりすぎるのだから昔から植えてある木にこだわらず、新しい木と入れ替えるべきだ。

 自然の山でも古い木が枯れ、若木に入れ替わっている。日本庭園の樹木もそうであって良い。