ドイツの政策転換

 ドイツは総選挙で中道左派社会民主党が敗れ、メルケル首相が国民の支持を得て中道右派の保守連立政権になる。これによって社会民主党に遠慮して打ち出せなかった原発復活の道筋が見えてきた。

 これまで社民党を軸とする左派連立政権が2002年に法制化した原発モラトリアム政策は大連立政権でも維持されたが、今後はまず原発運転の維持、続いて増設へと向かう可能性が高い。

 日本でもマスコミや反対派がヨーロッパの原発モラトリアムを反対の根拠にし、世界の趨勢に逆行すると日本の原発政策を批判してきた。

 これは昨年来のスエーデン、イギリス、イタリアなど主要国の原発政策転換によって覆されてきたが、いよいよ本丸のドイツが政策転換し、その根拠が完全に崩れ去ろうとしている。