プルサーマルとマスコミ

 九州電力玄海発電所唐津くんちで有名な佐賀県唐津の近くにある原発。小さな半島の先端に4基の原発が立ち並んでまるで要塞のようなところだ。そこで日本で初めての本格的プルサーマル運転が始まった。プルサーマルは使用済みになった核燃料を再処理して、そこからプルトニウムを取り出してそれをまぜた燃料を作って再び原発で燃やすというもの。核燃料のリユースと考えればよい。

 ペットボトルのリサイクルや家電製品のリユースには前向きの報道をするマスコミはプルサーマルについては冷ややかな扱いだ。読売、産経、日経といったところは資源小国日本にとって大事なステップと理解を示しているが、他は地方紙までも含め「危険」「コスト高」「計画より10年遅れ」「慎重に」「反対派の抗議活動」と冷水を浴びせるだけでエネルギーセキュリティーの観点はない。

 マスコミはエネルギー確保についてはもっぱら「自然エネルギー開発」に逃げ込んでいるが、要は読者におもねるマスコミでしかない。