おかしな役所

 欠陥車問題、食品の産地表示問題、原発の事故など、事故や不祥事が起きると必ず企業の社長が引っ張り出されて頭を下げ、担当者が懸命に内容を説明し、マスコミからの厳しい質問にさらされている。事故や不祥事を起こした当事者の話は国民にとってにわかに信頼しがたい。

 そこで担当省庁など役所の説明を聞きたいのだが、役所は企業を叱ったり罰したりするのが役目と心得ているらしく、国民のためにけしからん企業を懲らしめましたよという立場に立ちたがる。そうでない場合でも役所は行司みたいな態度を取る。

 本来ならば不安に思っている国民に「事故はこういう程度のもの、すぐには健康に影響がない」とか「しばらくは利用を見合わせるべき」などの情報を速やかに流すのが役所の仕事ではないか。今の役所には専門能力が低く、責任を取る腹のすわった役人はいないようだ。