文明の衝突

 ハンチントンが描きだした「文明の衝突」、ダイヤモンドが指摘した「銃・病原菌・鉄」による人種や国の興亡。この争いの主導権を握り世界を制覇するためのポイントは原子力だ。

 原子力は核爆弾だけでなく生産や防衛、そして多くの人口を養うためのエネルギー確保に今後欠かせないエネルギー。

 かつて石油を産出する中東がアラブマネーを得て世界経済に影響を与え、石油をふんだんに使ったアメリカ文明が世界制覇を遂げたが、これからは原子力エネルギーを手に入れた国がそうでない国を圧倒していく。

 北朝鮮キム・ジョンイルはこのことをしっかり認識しているし、イラクイスラエルもこだわっている。ウラン資源の争奪が始まれば、海水中のウラン採集もコスト的に成立する。

 情報や技術が世界中を駆け巡る現代、そうなれば地理的要因、資源の有無は競争力にはならない。高性能の原発、新たな燃料を産み出すことが出来る高速増殖炉など世界制覇を目指す国は原子力技術を高めるための競争を激化させることになる。