歴史とエネルギー

 歴史を科学的に説明しようとする試みがなされている。考古学、環境考古学、気象、天文学言語学、遺伝子研究などにより、国や地域の興亡についてその原因を客観的に数値で表すことで説得力を持つ人類の歴史を描き、その成果を政策や将来予測に使うことも狙っている。

 人類を含め生物が存在し続けることが出来るのはエネルギーを補給出来ているからだ。ほとんどの生物が太陽光の光や熱を光合成などによって巧みに利用してエネルギーを得ている。

 あるいはその成果を採集したり捕食することで生きるためのエネルギーを獲ている。人類は何万年か前に火を使うことを発見し、以来動植物の採集や捕食以外に火というエネルギーを生きるために使ってきた。

 火を使うことで獲物を取る効率を上げたり、外敵を防いだり、より長期の貯蔵が可能な食糧に変えることも行ってきた。木をより効率的に燃焼させるために炉を考え出し、火をエネルギーとして使いやすくし、木炭によりより高温を得ることが出来るようになり、土器や鉱物の精製につながった。

 こうしたことは彼等の力となり、他の集団との戦いにおいて勝利の原因となった。要するにより大きなエネルギーを使えることはより強力な集団であると言うことであり、このことは原始時代から現代まで普遍的な事柄である。