変化する原発の位置づけ

 我が国の原子力導入は無資源国からの脱却を目的としてスタートした。すべてのエネルギーを中東の石油に依存する体質は二度のオイルショックで一層原子力開発を後押しした。

 現在電源の三分の一まで成長した原子力だが、エネルギー全体からすれば20パーセントにもならない。最近、世界的な原子力見直しで産油国でも原発導入が具体的になっている。

 フランス、ロシア、韓国、中国などは原発技術を国際政治経済の切り札のひとつと扱うようになっており、首脳がトップセールスに励んでいる。我が国も原子力が導入時期からその位置づけを変えてきていることに気づく必要がある。