手間ひま

 植木の手入れはどのくらい人手をかけるかによってランクがある。一番安いのは電動バリカンでやる、次に安いのは刈り込みハサミでザクザクと枝葉を切る。

 時間をかけて日当をたくさん払うのなら、植木ハサミで一枝、一葉づつ切りそろえる。最も高いのはハサミでなく手で葉を千切る。モチの木やモッコクなどは不要な枝を取ってから、小枝一本に葉を三枚、四枚残して古い葉を手でむしり取る「三つ葉透かし」という方法がある。

 手間ひま掛けると明らかに出来ばえが違う。バリカンでやるといかにも刈ったというようになるが、三つ葉透かしだとなんとなくすっきり整った感じになり、葉っぱの間から幹がちらちら見えるし向こうの景色が透けて見える。手でやるということは一律にやらないということでもある。