ピークカット

 全国の発電所の平均稼働率は50パーセント。要するに夏冬のピーク時のために、普段必要とする倍の設備を維持しているということ。これが1パーセント上がれば、電力会社は年間2000億円の利益増になるという試算がある。当然電気代も安くなる。

 このような現象はさまざまなところに見られる。高速道路の渋滞、朝の通勤ラッシュ、行楽シーズンの旅館、盆暮れの列車の混雑、サラリーマンの昼食など。電力会社では余った電気でダムに水を戻したり、大型の電池に電気をためる装置を開発するなどしているが、一番良いのは消費電力のピークをなくし、一日中平均的に消費してもらえるようにすること。

 実際、深夜の電気料金は昼間の3分の1。これを利用して電気温水器などの製品が普及しはじめている。電気だけでなく、輸送やさまざまなピークに対して、IT技術を駆使して月日別料金、時間帯料金を設定し、消費者が利用時間をずらすように誘導する必要がある。