忍び込んだ危険

 事故が起きるとその原因追求が始まるが、多くの場合に事故の起きる前に事故原因となるものが忍び込んでいる。トヨタ車ではフロアマットやブレーキペダルの設計に問題があることが後でわかった。

 建物や橋の倒壊は大事故になりやすいが、設計時点で耐震構造が十分でなく柱が細かったり、コンクリートが品質不良で基礎にひびがはいっていたりしてちょっとした衝撃で倒壊に至る。メンテナンスが不十分であったために起きる事故もある。

 こうしたあらかじめ仕組まれた原因で起きる事故の方が社会的問題になりやすい。設計、製造に当る技術者は製品が使われるようになってから、その不備に気づかされる。これは廃棄物処理などの業務にも言えることである。設計に当たる者は先々まで考えた設計をしなくてはならない。