家の造り方

 徒然草には「家のつくりは、夏を基本とするのがよい。冬はどのような家であっても、住むことができるが、出来の悪い家では夏の暑さに耐えることも難しいだろう」と書いてある。

 この言葉はよく引用されるが、エアコンもない時代の徒然草に書いてあることをそのまま現代に採用してよいものだろうか。昔の人たちはせいぜい麻か絹の衣服、穀物中心のつつましい食事、機密性のない建物で耐えていたが、現代人はひ弱でとても我慢できそうもない。

 現代人は冬を基本として家を造り、都市の密集したところ以外では夏はなるべく風通しを良くしてエアコンを使わないようにするべきだ。