省資源文化

 どうして日本人は控えめなものを好むのだろうか。栄華を極めた宮廷文化、光源氏のように、その果てに無常を感じ、豪華絢爛の桃山文化の先に利休のわびさびを見出した。これが庶民まで理解されたところに日本の歴史の長さが感じられる。

 ヨーロッパでも王宮の装飾の豪華さは見ていて圧倒されるが、その先は迷路に入ってしまったようだ。アメリカは歴史が短く、大衆文化は派手なばかりで、奥行きがない。

 人間の欲情に忠実で隠そうともしない。アメリカでも大富豪はこんな贅沢には飽き足らず、歴史の古いヨーロッパや日本の文化に陶酔し、大コレクションを作った。我々は省資源文化を既に確立していることを知らなければならない。