原発と火災

 柏崎刈羽原発の倉庫火災で原発そのものの運転再開が延びている。原子力安全・保安院によれば、原発での火災は2000年以降、増加傾向で、特に東電電力、東北電力北海道電力の各サイトで多いとの結果だ。作業中とそうでない場合の比率は4対6。作業中でもっとも多いのは溶接作業中の失火だ。

 耐震補強などの建設工事が増加しているのが影響している。高経年化は原発本体だけでなく、周辺の施設にも起きており、それが火災にもつながっている。こうした施設のメンテナンス費用はどうしても削られ、後送りされる傾向がある。

 これらの火災は原子力安全には直接関係ないが、国民の原発に対する信頼感に大いに影響を与えるので決しておろそかに出来ない。北海道電力泊原発の火災は不審火が多かったが、セキュリティー面での問題とも言える。いずれにしても、火災件数は原発の安全管理の指標として重視しなくてはならない。