日本の原子力の行方

 世界中が原子力ルネッサンスの方向に向かっているが、日本だけは蚊帳の外だという声がある。六ヶ所村の再処理工場は完成が延び延びになっていて今年の夏でもどうか分からない。もんじゅに至っては、原子力関係者ですら年内運転再開の見込みはなさそうだという。プルサーマルは大電力を尻目に九州が先頭に立っている。

 電事連の計画通りとはいかないまでもそれなりに進みそうだ。また、アメリカで効果を挙げている既存発電所の増出力もある程度期待出来る。増設についてはこの先、東通、大間、敦賀、川内などが続く見込み。使用済燃料が溜まることに対しては中間貯蔵施設の建設も始まる。

 最近各発電所とも比較的順調な運転が続いており、これで柏崎刈羽や志賀が運転再開に漕ぎ付ければ全体の稼働率もようやく従来の水準まで戻りそうだ。原子力推進に関する世論調査も支持が徐々に増えており、原子力の存在が認められつつある。大地震や不祥事がなければ、日本の原子力はなんとか役割を果たして行けそうだ。