大都会の緑地

 各県庁所在地のある都市はほとんどが昔の城下町だ。町の中心部にはお城や城跡が存在し、その堀に囲まれた緑地は各都市にとって貴重なもの。お城以外には藩主の別邸もある。これらはほとんどが郊外の庭園として残されている。

 東京では各藩の広大な江戸屋敷のいくつかが庭園として残され、徳川家の別邸として浜離宮がある。明治以降に三井、三菱、住友などの財閥がそれぞれ広大な屋敷と庭を残している。横浜には明治の実業家原富太郎が作った日本庭園で三渓園がある。

 今はこうしたことは期待出来ないから、残されたものをしっかり管理して残すことと、都会の巨大な商業施設やオフィスを建てたときには、十分な緑地を取ることを求めるようにしないと息が詰るような町ばかりになる。最近目白の田中角栄の屋敷が区立の公園になったことは嬉しいニュースだ。