季節とたわむれる日本の生活

 日本では春夏秋冬それぞれ味わい深い。昔はエアコンもないので、それぞれに工夫して色やデザイン、感触、音など心理的なものや感覚的なもので対応していた。避暑といってもガソリンを使って遠くに行くのではなく、徒歩で近くの川や海辺へ行くくらいだった。

 自然も豊かで、ビル街もなかったからヒートアイランド現象とも無縁だっただろう。厳しい自然に打ち負かされることもあったが、季節とたわむれる楽しさも知っていた。

 新築の家をエアコンと床暖房で年中ハワイアンズにしたと満足げな人もいるが、本当にそれで充実した生活が送れるだろうか。身体の抵抗力や順応性を失ってますます外出しなくなり、腑抜けのようになってボケが早く来る。

 最近のように集中豪雨やひどい暑さではたわむれるという感じではなくなった。うっとうしい長雨のあとの久しぶりの青空は色深く、清清しい。