国の責任という言い方

 原発の耐震性に問題があると訴えた住民が逆転敗訴した。石川県にある北陸電力志賀原発の耐震性に問題はないと名古屋高裁金沢支部が運転差し止めを命じた一審判決を取り消した。新聞各紙は一斉にこれを報じたが、「混乱を招いた原因はほかならぬ国の怠慢にある。安全の根幹に係わる耐震指針の改定を25年も放置していた責任は重い。国の不作為を批判した一審判決は警鐘」と国の責任を社説などで追及している。

 その間の歴代の経済産業(通商産業)大臣は誰だったのか、資源エネルギー庁長官はだれだったのか。その間与党は何党で、これに関する質問をした野党はいたのか。マスコミは単に国の責任という言い方しかしないが、それでは責任追及にもなっていない。役人の無責任、怠慢を追及するのに忙しいマスコミのこの甘い態度が役人天国を支えている。