インドの話

 インドは1974年に核実験をして以来、原子力平和利用の面では国際的にボイコットをされてきた。昨年、インドはようやくアメリカから原発建設に関して協力が得られるよう協定を結んだが、その裏には急激な経済成長による深刻な電力不足がある。現在、インドの電力は石炭が半分で水力と天然ガスを加えると全体の70パーセントを占めている。今のところインド人の電力消費量は日本人の10分の1だが、増え続ける需要を賄うために、石炭火力発電所を増設し続けている。

 これからは環境問題や国内石炭埋蔵量の制約から原子力を開発しようとしているが、現在は17基の原発によって電力全体の3パーセントを供給しているに過ぎない。すでにロシア、フランスなどが原発の売り込みをしているが、インドはアメリカや日本にも声を掛けている。中国のあとにはインドという巨大な国が世界中のエネルギーをがぶ飲みにしようとしていることを認識しなければいけない。