恐い話

 アクション映画で、主人公が部屋に閉じ込められ、そこに水が浸入して徐々に水位が上昇してもう天井まであと何センチかに迫るというシーンがある。この真綿で首を絞められると表現したくなるような絶対絶命の状況が温暖化の現実だ。温暖化の危険性に気づいた先進国もそのエネルギー多消費体質から脱却出来ないでいる。新興国、途上国はいまだ成長段階。人口も多く人々の生活レベル向上意欲は始まったばかりだ。

 石油の生産はピークを過ぎつつあるが、直ちになくなるわけではない。天然ガス、石炭はまだ豊富にある。世界のエネルギー消費をどうやって抑制出来るというのか。よほどの異常気象によるダメージがない限り人々の抑制意欲は起きそうもない。ダメージによる人口減や生活の破壊がエネルギー消費を落とす方が先かもしれない。もし、温暖化ガスの抑制が始まったとしても、既に集積した温暖化ガスによる影響は数100年にわたって続く。この話、どんなスリラーより恐い。