太陽電池の可能性

 政府は昨年7月、「新材料・新構造を利用し、2030年以降に発電効率40%以上で1キロワット時あたりの発電コストが(原子力発電並みの)7円の太陽電池」を実現する方針を決めた。これに対応するように、さまざまな取組みが大学やメーカーの研究所で行われている。太陽電池の弱点は天気次第という低い稼働率と場所を取ることだ。この弱点を補うために、豊田工業大学ではレンズで太陽光を集光し必要な面積を減らすとともに、電池を多層構造にして可視光線以外の紫外線や赤外線も発電に利用する研究をしている。

 実験では今までの3、4倍の効率が出ている。日本は天気次第という欠点を克服するためにさらに宇宙の人工衛星で24時間太陽電池で発電して、その電気を地上へビームで送る研究も続けている。これも実現までにはかなり時間が掛かりそうだ。世界各国で開発競争が起きているが、競争によりどの程度目標達成まで時期が短縮できるかが問題だ。