高浜のソーラー

先週、関西電力の高浜原子力発電所を訪問する機会があった。ビジターセンターの前にはソーラーパネルが2枚設置されていた。2枚で72平方メートル。定格出力は10キロワット。実際の出力は昼間でも5.3キロワット程度。朝夕は1キロワット前後しか出ていない。説明書きによるとソーラーは1キロワットの電気を作るには10平方メートルが必要となっている。高浜原子力発電所の敷地面積は235万平方キロメートル。これにソーラーを敷き詰めると出力23.5万キロワットのソーラー発電所になる。

高浜原子力発電所には4基の原子炉があり、356万キロワットの出力で、ソーラーとは一桁違う。ソーラーは面積的には原発の10倍必要で、コストもキロワット当たり60〜70円と原発の3〜4倍となる。これは確かに問題で、ソーラーの技術が改良されたとしても限界がありとても主役にはなれない。

それにしても原子力関係者から見れば、被ばくもない、放射能汚染もない、テロ対策もいらない、メンテナンスも検査対応も楽、運転員は不要。高レベル放射性廃棄物も出ない。何よりも反対派がいなくて、世の中の人が誰も歓迎してくれ、止まったからと言って説明に歩かなくても良い、とうらやましい限りだ。