ドイツの実態

 小さな町で、市電や自転車を活用し、自動車を乗り入れさせないとか、太陽電池を世界一導入しているとか、マスメディアが温暖化対策の見本としてドイツや北欧を取上げることが多い。マスメディアは決してドイツのエネルギー需給の全体を報告しようとはしない。それはドイツが電力供給の40パーセントを原子力発電に頼っており(日本は30パーセント)、その稼働率は90パーセント(日本は60〜70パーセント)で、原子力以外はほとんど石炭火力だということ。

 それでも電力が不足してフランスが原子力で発電した電気を大量に輸入していること。廃止すると決めた原子力発電所が廃止できずにいること。こういう実態がわかってしまうとマスメディアの自然エネルギー礼賛・原子力反対の方針に反してしまうことになるからだろう。