困った問題

 世界中で最も多く使われている燃料は石炭。石炭は世界中に広く分布して存在し、しかも、石油やウランが数十年の採掘可能年数であるのに対して、数100年は持つ。そこで温暖化対策のために、ヨーロッパでは石炭火力発電所にCCS(二酸化炭素回収・貯留システム)を併設して発生した二酸化炭素を大気中に出さないようにすることを義務付けようとする動きがある。

 このシステムはまだ実験レベルのものだが、問題点としてシステムの運転のためにエネルギーが必要で、これで発電効率が2割以上も低下すること。同じ電力を出そうとすると、燃料も2割よけいに掛かる。せっかくCCSを併設しても、これではコスト高に泣きそうだ。何にしてもうまい話には裏があるものだ。