巨大科学技術

 原発というと一般の人は日立、東芝、三菱など大メーカーが造っていると思っている。しかし、そもそも原子炉やタービンが入るあの巨大な建物や水路はゼネコンが造っている。金額にして15パーセント程度はゼネコン受注分。原発は3万点もの部品から出来ているので大メーカーは全体の設計や大物機器の製造をして、あとは系列の企業から部品を調達している。

 系列企業でもないポンプメーカー、バルブメーカーに依存している部分もある。日本が原発技術に優れているのは、こうしたあらゆる技術がほぼ国内で調達できるということ。何百という中小のメーカーの持つ特殊で専門的なノウハウが結集したのが原発だとも言える。それだからこそ全部の部品が故障なく動くことはが大変なこと。巨大科学技術とはそうした宿命を持っており、どれか一つが故障すればロケットは海中へ落ちるし、原発は停止してしまう。