超現実的な対策

アメリカの原子力安全規制委員会は先頃、アメリカ国内の原発のセキュリティーに関する規則を強化した。9.11以降、政府が各原発に要求していた内容を中心に規則化したものだが、内容がすごい。セキュリティー要員の資格認定や訓練は当然としてサイバー攻撃から原発を防護するプログラムの作成、航空機の衝突や爆発、火災などで施設の大半が破壊された場合の対応手順も要求している。

この規則強化は4年の歳月をかけて検討された。日本は原発のセキュリティー強化をどうするのか。現在、警備員は丸腰で、機動隊のバスと沖合いに海上保安庁の船を停泊させている程度。テロ対策をやるにも、大げさなことをすれば、国民の不安が増し原発反対に向かうのではと腰が引けている。それともテロリストは日本の原発には手荒な真似はしないとでも思っているのだろうか。