EV普及の影響 2

 新しい技術を商品化する際にはさまざまな課題をあらかじめ予測して対策を講じていく必要がある。そうでなければ、さまざまな公害や不安を呼び起こした過去の新産業、新製品と同じ轍を踏むことになる。EVのような規模と革新性を持つものはいったん広まってからでは遅い。特に心配なのはリチウムイオン電池の廃棄処分。電池を製造するための鉱物資源の確保は大丈夫なのか。

 夜間電力需要の増加も心配だ。火力発電所の運転による二酸化炭素の排出。原発はフル稼働状態で運転するため、調節は火力でやっている。そのための発電量を増加させるのは火力発電所だ。ガソリン流通関係の企業の雇用も大きく落ち込む。EV開発に遅れた自動車メーカーも経営が難しくなる。マスメディアはまたもEVをもてはやすだけなのだろうか。