ストックで支える生活

 現在どこの国でも経済成長をすることを前提としているが、資源や環境に限界があることが既に明らかになっているのにこれは矛盾ではないか。確かに途上国ではまだインフラの整備も遅れており、成長路線を取るのは理解出来るが、先進国までもが経済成長にやっきとなりすぎてはいないか。

 GDP(国内総生産)の拡大が国民の生活レベルや国民の満足度、幸福度、安定度などとイコールではないはず。実際には物価水準、為替レートなどが関与してくるので、GDPと実際の生活実感とは合わないことも多い。ヨーロッパの古い街ではストックが豊かで人々の生活も安定している。先進国はこれ以上経済成長をする必要があるのか。

 文化的な生活がたくさんの資源を使った生活とイコールではないはずだ。資源の消費量はそこそこで、今まで積み上げてきたインフラを土台に、知恵や技術によってそれを活かして十分な満足を得られるような方向に向いていくべきではないか。