フィンランドの新鋭原発

 フィンランドでは原発依存率は日本と同じの3割程度。現在建設中のオルオキト3号機は最新鋭160万キロの新型。これが出来れば一気に5割程度になる。しかし工事が大幅に遅れ、今後作業員を2倍に増やすことで、2012年にはなんとか運転開始したいとしている。

 原子炉圧力容器は三菱重工製。遅れているのは土木建築工事で、請負ったフランスのアレバ社と追加費用の負担割合の話し合いが行われている。土木建築工事はゼネコンが請負うが、機器の据付や配管を通す貫通部などあらゆるところで機械メーカー、電気メーカーとの調整をしながら進めなければならない。

 原子炉そのものの設計や製作も高度な技術だが、こうした工事の管理も高い情報収集力、調整力と組織力がなければ全体の工事が円滑に進捗しない。建設工事の工程管理は日本の電力とメーカーの得意とするところ。

 アメリカから技術導入した初期の頃から、計画より早く発電所を完成させ、工期の点で次々と世界新記録を樹立した。原子力発電所の建設は日本人に向いている仕事なのだ。