流出した放射能

 中越沖地震柏崎刈羽原子力発電所から放射能が流出した事実は大きく報道されたが、この流出量について、国民はどれほど的確に理解しているのだろうか。

 流出したのは95000ベクレルの放射性物質。これがどの程度のものか。普通、海の水には自然放射能として1トン当たり12000ベクレルの放射能が存在する。したがって流出したのは普通の海水に含まれる放射能の8トン分。

 95000という数字に驚くが、実際には無視してもよい量なのだ。鳥取県三朝温泉放射能量は1トン当たり400000ベクレル。これが身体に良いと評判だ。こんなことをマスメディアがきちんと報道すれぱ、風評被害も起きないだろう。

 国や県は地震後、素早く直接に国民にこのことを伝える必要があった。プレス発表とともに直接国民に伝えないと、多分マスメディアはそれを伝えないからだ。もちろん、漏れないはずの放射能が漏れたことはきちんと調査し対応をするべきだが、国民に余計な心配をさせるのはよくない。