おかしな論調

 朝日新聞は「政策ウォッチ」欄で「原子力機構の低炭素貢献策、夢にしか聞こえぬ」(佐々木英輔記2008.11.7)と題し、同機構の原子力増強による90パーセントの二酸化炭素削減提案をあまりにも楽観的とこきおろしている。また、核融合も今世紀は実用化が難しいとしている。

 地に足がつかず、信頼も回復出来ないままでは夢物語にしか聞こえないとばっさり。確かに原子力機構は役所的で研究者的で情報公開や実際のプラント運転はおそまつなところが多い。それはそれとして、自然エネルギーのポテンシャルだけで日本社会が成り立っていくと朝日新聞は考えているのなら、数字を使ってそのことを示す責任がある。

 記事は日本のエネルギー確保をどうするかと言う問題とそれを推進する組織の問題をごっちゃにしている。原子力を否定しているのか、原子力機構の体質を否定しているのか。朝日新聞の論調は原子力機構の体質を取上げて、それをもって原子力そのものを否定するというおかしなものだ。