ここは農村か

 原発立地町の将来計画が配られてきた。基本理念の第一が「保健・医療・福祉の連携を強化するとともに支援体制の充実を図る」。第二が「地域の歴史・文化を学習し、地域社会を維持・活性化するための学習の機会を創る」。

 第三に「自然環境や農村風景の保全に努め、循環型社会の推進する」。第四として「農業、商業、工業の既存地域産業の支援を充実する」。

 ところが現在の町の総生産額比率は第一次産業1パーセント、第二次産業6.9パーセント、第三次産業93.1パーセントだ。住民は圧倒的にサービス業など第三次産業で働いている。

 数百軒の農家は自分たちで食べる米をつくるか、収入の一部にしているだけ。そこでの農業振興はイコール景観の保全以外にないはずだ。見渡せば田圃が広がっているが、実態は庭のようなものだ。そうならそうとはっきり書かないのはいまだにここは農村だとの思い込みが強いからだ。