立地地域の優位

 これから人口が地方から大都市に移動し大都市は巨大な電力需要源であり続ける。大都市での原子力発電所建設は技術的には可能でも非現実的であり大都市が必要とする大量の電力は発電所立地地域でしか供給出来ない。

 廃止措置はまさにその場でやるしかなく、増設は現在の立地地点が最有力候補地である。使用済燃料の中間貯蔵施設、放射性廃棄物の仮置きについても発電所敷地内あるいはその周辺が選定されるケースが多くなると考えられる。

 地盤などから考えても都市部はもちろんのこと地方でも原子力発電所立地に適する場所はそう多くない。原子力発電所立地地域は原子力に対する住民の理解程度が進んでいる。また、小中学生などに対するエネルギー教育も熱心に行われてきた。

 祖父母の代から原子力発電所とともに何十年にもわたって生活してきた実感から原子力発電所の安全性に対する理解は他のどの地域よりも勝っている。大都会に対する原子力発電所立地地域の優位性は確立されている。