そもそもの間違い

 田中角栄首相は原発立地地域に対する電源三法交付金制度を創設するにあたってその立法主旨を昭和48年5月8日参議院本会議で次のように述べている。

「大電力の消費地は大都会でございます。自分が使う電気でないものを、大都会に送る電力のために、なぜ公害やその他のものに泣かなければいけないかというところに、現地が承諾をしない大きな原因があるのでございます。

 ですから、地元に恩恵が及ぶような施策を付加しなければならないことは言うを待たないのであります。電源立地地帯の利用会を得られるような施策を付加することによって発電を確保しなければならぬことは、申すまでもない重要なことでございます。」

 原発とは何かについていみじくも当時の政治家が「原発が危険を伴うものである」と言い、必要悪であると考えていたかが見て取れる。本来、原発は公害やその他のものに泣かなければいけないものではないはずだ。