いちめんのなのはな

 山村暮鳥の詩「風景」はいちめんのなのはなという言葉がくりかえされるユニークなもの。教科書にとりあげられたので知っている人も多い。

 最近、各地で観光スポットとしていちめんの花畑を売り物にするところがある。富良野のラベンダー、富山のチューリップ、向日葵、芝桜、コスモスと続く。

 近くにもバラ園があるがこ人工の花畑は自然の花畑とは違う。自然のものはその花ばかりでないが、人工のものは他の草花が排除されている。

 自然の花畑は思いがけず発見して感動するものだが、人工のものはそれがないので、詩情は起こらない。