乾杯の音頭

 日本土木工業協会という団体の発行する月刊誌に次のような記事があった。「各支部の懇親パーティーで、乾杯の音頭を取った中村会長が必ず口にしたのは『土木に乾杯』というフレーズ。そこには、建設業界が社会資本整備を通じて日本の発展を支えてきたという自負が込められたいたように思う」。

 原子力業界の集まりであれば「原子力に乾杯」となるが、隠蔽など一連の不祥事以降原子力業界にはこうした自負が影をひそめてしまったようだ。原子力界に身を投じた人々の思いは日本のエネルギーを将来にわたって心配のないようにしたいということだったはず。

 不祥事の再発を防止するためにも、この原点に返ることが何よりも必要である。