山野草の魅力

 蓮華ショウマ、シドケとも呼ばれるモミジガサ、イワウチワ、イカリソウ、クマガイソウ、カタクリ、ショウジョバカマ、ヤマブキソウヒトリシズカ。庭に植わっている山野草を列挙すればこんなところだ。

 これら日本の山野草に共通するのはその可憐さ。西洋の草花に比べ花は控えめで小さく色は淡い。日陰を好み、普段はほとんど目立たないが、毎年短期間だけ花を咲かせる。野山で採取しても環境の変化に敏感でなかなか生き付かない。

 日本人はこれらの山野草を愛し、清楚だが凛としている理想の女性にも例える。世界の中で日本は山野草のような存在でありたいと思うが、環境はなかなかそれを許さない。