ひとつの仮説

 西欧文明は「自由主義」「個人主義」「平等主義」など人間の我儘を放任しているために、自然破壊が続き資源枯渇を招く。その結果、地球環境の限界が見えてきたという考えが先進国を中心に定着し始めている。

 これに対して新興国、途上国は自分たちにもその権利を使わせろと主張し、議論は平行線となっている。ひとつの仮説として人類が間もなく化石燃料以外にふんだんに使えるエネルギーを手に入れたと仮定するとこの問題は解決する。

 生活や生産に必要なエネルギーに加えてさらに十分なエネルギーがあれば二酸化炭素の処理、海水の淡水化、鉱物資源のリサイクル、環境浄化などが可能になり、たとえ100億人の地球人口であっても循環型の社会を成立させることが出来る。

 この可能性として核融合、太陽光レーザーによるマグネシウム生産、メタンハイドレード、高性能ソーラー発電などが候補として挙げることが出来るが、現在のところ一番実現性の高いものは高速増殖炉でウランを増殖して2000年間燃やす技術。この技術をあきらめていない国は世界中で日本、中国、ロシア、インドである。