信頼の空洞

 トヨタの社長がリコール問題でアメリカ議会の公聴会参考人で呼ばれた。アメリカのユーザーもトヨタの相次ぐリコールには驚きを隠せないようだ。数年前に東京電力原発の隠蔽や改ざん問題を起したときにも世間は驚いた。

 二社に共通するのは問題になる以前の信頼の大きさだ。絶対的な信頼を寄せていた企業が問題を起したとなると、逆にその落差で人々の驚きや怒りが大きくなる。世間の評判が高くなるにつれて、実際の管理力がついて行けなくなり信頼の空洞が発生する。

 空洞を埋めていくことは大変な負担であり、社内を引き締めていくのは容易ではない。「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」の教えが身に染みてくる。