安心を求めて

 近頃、政治家や経営者は口を開けば馬鹿の一つ覚えのように「安全安心な」というが、日本人は安全を自分の目で確かめたり、自分で考えたりすることなく、他の人が「あれは安全だ」あるいは「あれは危険だ」と言うのを聞こうとする。

 人々にとって、内容はともかく一番大切なのは皆と同じ意見であること。その分野の専門家の意見だけでなくタレント、著名人が言うことにも大きく影響されてしまう。

 他人はどう言おうとも自分はこう思うということをなかなか言えない日本人。互いに顔を見合って、「やっぱり不安ですよね」と言うのがほとんどだ。いつまでたっても日本人の安心とはそんなものではないか。