やや心配なこと

これから我が国の電力需要がどのようになっていくかは予想が分かれる。人口減少や工場の海外移転によって電力需要は減少するものの、高齢化社会は電力多消費につながるとの見方もある。

電気自動車がほとんどの世帯に普及すれば家庭の電力需要を上回る民生用の電力需要を生み出す可能性がある。環境対策として電化によって二酸化炭素排出を抑制しようとする動きがあり、電力需要はあまり減らないと考えられる。

一方、供給の方は温暖化対策で石炭や石油などの消費に制約が出ると火力発電所による発電量を減らさざるを得ない。自然エネルギーは10年たっても二桁のパーセントには届かない。

今、全供給の30パーセントを占める原発は運転期間の延長をしたとしてもあと10年から15年もすれば半数が停止となる。原発の増設が間に合わないと電力需給は10年後くらいに切迫する可能性がある。