環境と精神

 地球環境を破壊しているのが人類で、その結果地球上の生物の生存が脅かされている。そのことを知ってからというもの、人類、少なくとも先進国の人々は大きな精神的負担を抱えてしまった。自分たちが進歩だと思ってやってきたことが、全体からすればとんでもないことだったと知らされたのである。

 大自然に抱かれて、そんなことを心配しないで安らかに生活できていた頃のことがなつかしい。まさに業というものを背負って生きていく現代人になったのである。

 罪深き人類という発想はキリスト教のようでもあり、人類は二千年も前にこのことを薄々と感じていたのかも知れない。自然の前には人間の存在など取るに足りないものだという思想にもどるしか、人類の将来はないのではないか。