建築家ガウディ

 自然が美的にも構造的にも最高の造形であると認め、自然を観察し、それに基づいて建物のデザインをした建築家が1926年に亡くなったスペインのガウディ。サグラダ・ファミリア教会はいまだ建設中だ。彼の作品は我々が海浜で拾った貝の観察をしたときに気付く造形の意外性に通じている。

 自然は常に我々の想像を超えた姿を見せる。太陽や月の位置が変わるだけで、景色はその印象を一変させる。本物の魚はどんな図鑑でも表せない生々しさがある。我々が建物などを美しいと思うのは、過去に見た自然の様子が記憶に留まっていて、それと同様なものを美しいと感じるからではないか。ガウディが生きていれば、いまでも自然を飽きずに建築に写し換える仕事を続けているにちがいない。